
世の中の物事は、いつまでも乱れた「天地否」の状況であることはなく、乱極まれば治に復る。しかし乱世を平定するには、多くの人の協同一致が必要となるので、「天火同人」は、人と人とが協同一致する道を説く。
広く天下の同志と協同一致するには公平と正義の二つの徳が重要で、それらがあれば、志はとおり、大いに伸び栄え、希望するところのことが行われる。逆に小人が私心をもって私の利益を図るために党派を組むようなものではよろしくない。
The affairs of the world never remain forever in the state of disorder signified by the hexagram Heaven and Earth in Opposition. When chaos reaches its utmost, it turns again to order. Yet to bring peace to a troubled age requires the cooperative effort of many. Therefore, the hexagram Heaven and Fire in Fellowship teaches the way by which people join together in unity.
To achieve broad harmony and cooperation among kindred spirits throughout the realm, two virtues are essential: fairness and justice. Possessing these, one’s aims will be fulfilled, prosperity will flourish, and one’s aspirations will be realized. On the contrary, it is futile when petty men, moved by selfish motives, form factions for their own profit.
彖(たん)の辞
同人于野。亨。利渉大川。利君子貞。
人(ひと)に同(おな)じくするに野(や)に于(おい)てす。亨(とお)る。大川(たいせん)を渉(わた)るに利(よろ)し。君子(くんし)の貞(てい)に利(よろ)し。
読書メモ
- 同人とは、人と同じくするなり。人と人とが協同一致する道を説く。
- この卦は、上に乾の卦の天があり、下に離の卦の火がある。火が燃えて天に向かって上ることを天と志を同じくするものとして、同人の卦の象となっている。また下の離の卦を日、太陽ともみる。天と日は密接な関係で離れることなく一緒に運行している。天と火は異なるものであるけれども、同じ方向に向かっている。
- 世の中の物事は、いつまでも「否」のままでいることはできない。乱極まれば治に復る。しかし乱世を平定するには、多くの人が心を同じくし、力を合わせて協同一致して始めて世の乱れを平定することができる。
彖の辞の解説
- 人と協同一致するには公平で私心のないこと、正しくて曲がったことのないことの二つの徳が必要。この二つがないと、よく人と協同一致することはできない。
- 「人に同じくするに野に于てす。」は、公平さを言っている。野というのは、城から遠くの広い野原のこと。広く天下の同志と協同一致する。すると、その志がとおり、大いに伸び栄え、希望するところのことが行われる。
- このように人が協同一致するときには険阻艱難を乗り越えることができるので、「大川を渉るに利し。」という。
- 「君子の貞に利し。」は、正しくあるべきことを説く。小人が私心をもって私の利益を図るために党派を組むようなものはよろしくない。君子の正しい道を固く守り、正義にかなっていることを要する。
- 公平と正義と二つの徳が重要。


