論語【里仁第四】82. 利害より正しい道かをすぐ考える

孔子先生は、りっぱな人は何事もすぐ道義にかなっているかをまず考え、そうでもない人は何事もすぐ利害関係で考えてしまう、とおっしゃいます。

道義にかなうかとは、人として正しい道なのかを判断するということ。その時その時で右にも左にもかたよることなく中庸の立場をとれるかは、情報の多い現代を生きる私たちにも重要です。

また利益は人に徳を尽くし、自分の役割を果たして一番最後に得られるものですから、それを最初に考えるのは違うんですね。利益の利はのぎへんにりっしんべん。のぎへんは禾穀(かこく)、りっしんべんは刀ですから、収穫をあらわしています。収穫は、種をまき、自然と共に苗を育てて、一番最後にできること。

漢文と書き下し文

子曰、君子喩於義、小人喩於利。

子(し)曰(いわ)く、君子(くんし)は義(ぎ)に喩(さと)り、小人(しょうじん)は利(り)に喩(さと)る。

現代語訳

孔子先生はこのようにおっしゃった。「教養のあるりっぱな人は何事も道義に従って考える。教養が及ばない人は何事も利害関係で考える。」

解説

  • 君子(くんし):教養人、りっぱな人
  • 義(ぎ):道義。自分の役割を果たすこと。利害をすてて条理にしたがい人道、公に尽くすこと
  • 喩(さと)る:すぐに考える、直観的に理解する
  • 小人(しょうじん):知識人、度量や品性に欠けている人。小人物。身分の低い人。こもの。
  • 利(り):利害