論語【里仁第四】80. 一歩一歩、実力をつける

自分に社会的地位がない、周囲にいまひとつ認められていないと心配するのはやめなさい、と孔子先生はおっしゃいます。それより、地位を与えられ、周囲に認められる実力が自分にあるのか、そっちを心配しなさいと。

孔子先生は、「あなたは、りっぱな人になったのか」とは聞いていません。でも「りっぱな人になるために、一歩を踏み出したのか」、「一歩一歩、歩んでいるのか」を問題にしています。そこが人生の要点だよと。一歩を踏み出すことなら、誰にでもできますよね。肩書きや、有名人かどうかは関係ないです。

漢文と書き下し文

子曰、不患無位、患所以立。不患莫己知、求爲可知也。

子(し)曰(いわ)く、位(くらい)無(な)きことを患(うれ)えずして、立(た)つ所以(ゆえん)を患(うれ)えよ。己(おのれ)を知(し)る莫(な)きを患(うれ)えずして、知(し)らる可(べ)きを為(な)さんことを求(もと)めよ。

現代語訳

孔子先生はこのようにおっしゃった。「自分にポジションが無いことを心配していないで、ポジションを得るだけの実力がないことを心配した方がいい。周囲の人たちが自分のことを知らないことを心配するより、人に知ってもらえるだけの実力をつけることを考えた方がいい。」

解説

  • 位(くらい):地位、ポジション
  • 患(うれ)う:心配する、思い悩む、憂う
  • 立(た)つ所以(ゆえん):実力(ポジションを得るだけの理由)