論語【里仁第四】78. 利益を得るプロセスが大事

利益の「利」はのぎへんに刀でできた漢字です。穀物を刃物で刈り取るので「鋭利」という意味があり、また収穫を得るので利益、もうけといった意味があります。

穀物を刈るとは、考えてみると、土を耕し、種をまいて、苗から穀物を手塩にかけて大切に育てるという過程があって、どうか無事収穫ができますように、豊作になりますようにと神様にもお祈りをして、天候を気にしたりしながら、やっと収穫を迎えたときに最後にすることで、何もしないでいきなり収穫ということはありません。

孔子先生は、利益のために行動していては、怨みを買うよ、とおっしゃいます。利益、収穫は必要なものですが、結果の前にプロセスを大切に、と言われています。今の言葉で言うと、企業が利益を追求するのはいいんだけど、社会的責任を考える必要があるということになります。

漢文と書き下し文

子曰、放於利而行、多怨。

子(し)曰(いわ)く、利(り)に放(よ)りて行(おこな)えば、怨(うら)み多(おお)し。

現代語訳

孔子先生はこのようにおっしゃった。「主に利益のために行動をしていると、怨みをかうことが多い。」

解説

  • 利(り):利益、もうけ。利はのぎへんに刀。刀を以て禾穀(かこく)を刈るので鋭利の意があり、収穫を得るので利得の意がある。
  • 放(よ)る:のっとる
  • 怨(うら)み:他からの仕打ちを不満に思って憤り憎む気持ち。怨恨(えんこん)。