
孔子先生は、「立派な人間になろうとしているのに、食べ物や服装が粗末なことを恥じるような人とは、議論する価値がない。」とおっしゃいます。
いい学校に入っていい仕事を見つけて、たくさんお金を稼ぐというよくある「成功」のイメージと、孔子先生の考える人生の目標は全く異なるようです。物質的な成功だけでは本当の意味で「立派な人間」にはなれないから、物質的なものにとらわれず、自分の心を大切に、学びや人との関わりを大事にして生きよう、というメッセージです。
SNSにあふれる物質的な成功のイメージや他人との比較に負けない強い心をやしなうひとつの方法が論語などの古典の学びです。学びを実践し、自分の内面を見つめることで成長し、共に学ぶ仲間とつながり、社会に貢献できる自分になる志を持つことです。
漢文と書き下し文
子曰、士志於道、而恥惡衣惡食者、未足與議也。
子(し)曰(いわ)く、士(し)、道(みち)に志(こころざ)して、悪衣(あくい)悪食(あくしょく)を恥(は)ずる者(もの)は、未(いま)だ与(とも)に議(はか)るに足(た)らざるなり。
現代語訳
孔子先生はこのようにおっしゃった。「りっぱな人間になろうとしているのに、着るものや食べるものが粗末であることを恥じるような者は、議論の相手にならない。」
解説
- 士(し):官位・俸禄があり、人民の上にいる人。社会で一定の地位を持っている人。
- 道(みち):正しい生き方や行動の基準
- 道(みち)に志(こころざ)す:立派な人間になろうという強い意志をもつ
- 悪衣(あくい)悪食(あくしょく):粗末な服や食べ物
- 議(はか)る:議論する


