論語【述而第七】182. 困ったときの神頼みはしない

孔子先生が病気になり、重篤な状況になってしまったとき、弟子の子路が心配して、病気平癒のご祈祷をやりましょうと言うと、先生は天地の神々に祈ることであれば私は以前からやっている、とお答えになり祈祷は却下されました。先生は古代人なのにリアリストですね。

A Realist Who Didn’t Pray in Desperation
When Master Confucius fell ill and his condition became critical, his worried disciple Zilu suggested offering prayers for his recovery. The Master replied that he had long been praying to the gods of heaven and earth and declined the proposal. For an ancient man, he was quite a realist.

漢文と書き下し文

子疾病。子路請禱。子曰、有諸。子路對曰、有之。誄曰、禱爾于上下神祇。子曰、丘之禱久矣。
子(し)の疾(やまい)病(へい)なり。子路(しろ)、禱(いの)らんことを請(こ)う。子(し)曰(いわ)く、諸(これ)有(あ)りやと。子路(しろ)対(こた)えて曰(いわ)く、之(これ)有(あ)り。誄(るい)に曰(いわ)く、爾(なんじ)を上下(しょうか)の神祇(しんぎ)に禱(いの)ると。子(し)曰(いわ)く、丘(きゅう)禱(いの)ること久(ひさ)しと。

現代語訳

孔子先生の病が重かった。弟子の子路が心配して祈祷をしてくださいと先生にお願いした。先生は、「そんなことがあるのか」とおっしゃった。子路は「はい、あります。誄の書に自分のさいわいを天地の神々に祈るとあります。」と答えた。すると先生は、「そういう祈りであれば私は以前からやっている」と言われた。

解説

  • 疾(やまい)病(へい)なり:病気が重い
  • 禱(いの)らん:神に祈る、命乞いする
  • 諸(これ)有(あ)りや:そんなことあるのか
  • 誄(るい):死者の生前の功徳をたたえて、その死を悲しむこと。また、その文章。
  • 爾(なんじ)を上下(しょうか)の神祇(しんぎ)に禱(いの)る:汝のさいわいを天地の神々に祈る
  • 丘(きゅう)禱(いの)ること久(ひさ)し:そういう祈りなら以前からやっている