
子(し)曰(いわ)く、政(まつりごと)を為(な)すに徳(とく)を以(もっ)てするは、譬(たと)えば北辰(ほくしん)の其(そ)の所(ところ)に居(い)て、衆星(しゅうせい)の之(これ)に共(きょう)するが如(ごと)し。
孔子先生はこのように言った。「政治をするのに、徳をもってするのは、北極星が自らは動くことなく、多くの星たちが同調してその周囲をめぐるようなものである。」
- 北辰(ほくしん):北極星
- 論語のリーダーシップ論。マネジメントをするときに、徳で組織をマネージすれば、北極星のような存在になれる。
- 徳とは、自己の最善を他者に尽くすこと。
徳は勢い。リーダーシップの最大のポイントは、勢いを呼び込むこと。 - 参考:南船北馬(なんせんほくば)
中国の北と南には伝統的な違いがあり、ひとつの国かというほど風土が異なる。
孔子の儒教は、北方中国の思想。馬で移動する遊牧民族は北極星を見て自分の位置を割り出すから、北極星信仰。水や草を求めて次の牧草地へと大部隊を率いて移動を繰り返すのは、大変なことで、北極星のように動かないリーダーシップが要求される。父性的。厳格な決まりがないと命の危険がある。例えば、自分だけ獲物を追って単独行動では命が危ないから、儒教では欲望のコントロールが重要になる。自分だけで獲物をひとりじめしたいはNG。
一方、老荘思想は南の思想。南は舟で、農耕民族。移動ばかりしている遊牧民と異なり、温暖な気候の中、土地に根付いて、そこで稲作などの農耕を何代もやってゆく。農耕には太陽が必要だから太陽信仰。厳格なリーダーシップより永続性が大事で、母性を重視する。


