論語【雍也第六】139. 相手を見て話す

孔子先生は、相手を見て、話す内容は変えなさいとおっしゃいます。既に徳を実践できていて、誠実な真心のある人に対してさらに高尚な理想を語るのはいいけど、そうでない人にあまり高尚な話をするのはやめておきなさいと。人の上に立つ立場になったら、相手を見極めて話し方を変える必要があるのですね。

Speak to Suit the Audience
Confucius teaches that one should adapt their words to the person they are addressing. To those who already practice virtue and possess a sincere heart, it is fitting to speak of lofty ideals. But with those who lack such sincerity, one should refrain from pressing lofty matters. When you are in a position of leadership, it is essential to discern your audience and adjust your manner of speaking accordingly.

漢文と書き下し文

子曰、中人以上、可以語上也。中人以下、不可以語上也。
子(し)曰(いわ)く、中人(ちゅうじん)以上(いじょう)は、以(もっ)て上(かみ)を語(かた)る可(べ)し。中人(ちゅうじん)以下(いか)は、以(もっ)て上(かみ)を語(かた)る可(べ)からざるなりと。

現代語訳

孔子先生はこのようにおっしゃった。「既に徳を実践できている誠実な真心のある人に対しては、さらに高尚な理想を語ることができる。一方で、それができない、誠実さのない人と高邁な理想を語ることはできない。」

解説

  • 「中人(ちゅうじん)以上(いじょう)」とは: 朱子によれば、理解力と学徳がある程度備わり、向上心を持つ人。 伊藤仁斎によれば、誠実で真心のある人。 王陽明によれば、良知を信じて実践しようとする人。
  • 「中人(ちゅうじん)以下(いか)」とは: 朱子によれば、理解力が乏しく、学びや徳が浅い人。 伊藤仁斎によれば、誠を欠き、真心がない人。 王陽明によれば、良知を曇らせ、私欲にとらわれている人。
  • 「上(かみ)を語(かた)る」とは:人を導く高尚な道を説くこと