
孔子先生は、弟子の仲弓は君子の器であるとおっしゃいます。その理由は、政治の行い方として、天への敬いの心を持って、統治の実際は簡潔であるなら良いが、心も簡潔、行いも簡潔では、簡潔にすぎると分かっていたから。孔子先生の考える政治課題の優先順位づけの要点は、天への敬いの心をもってすることだったのですね。
With Reverence for Heaven, Choosing What Truly Matters
Confucius said that his disciple Zhonggong possessed the makings of a true leader. This was because Zhonggong understood that governing must be done with a heart of reverence for Heaven. While it is good for the actual workings of governance to be concise, if both one’s mindset and actions are concise, it becomes excessively so. For Confucius, the essence of prioritizing political matters lay in maintaining a heart filled with reverence for Heaven.
漢文と書き下し文
子曰、雍也可使南面。仲弓問子桑伯子。子曰、可也。簡。仲弓曰、居敬而行簡、以臨其民、不亦可乎。居簡而行簡、無乃大簡乎。子曰、雍之言然。
子(し)曰(いわ)く、雍(よう)や南面(なんめん)せしむ可(べ)し。仲弓(ちゅうきゅう)子桑伯子(しそうはくし)を問(と)う。子(し)曰(いわ)く、可(か)なり簡(かん)なりと。仲弓(ちゅうきゅう)曰(いわ)く、敬(けい)に居(い)て簡(かん)を行(おこな)い、以(もっ)て其(そ)の民(たみ)に臨(のぞ)まば、亦(また)可(か)ならずや。簡(かん)に居(い)て簡(かん)を行(おこな)うは、乃(すなわ)ち大簡(たいかん)なること無(な)からんやと。子(し)曰(いわ)く、雍(よう)の言(げん)然(しか)りと。
現代語訳
孔子先生は、「雍(仲弓)は君主の器である」とおっしゃった。仲弓が子桑伯子について先生に質問した。先生は、「簡潔であるところがよい」とおっしゃった。仲弓は、「天を敬いつつしむ心をもって、行いは簡潔であり、それで人民を治めているならよいと思いますが、心の中も物事を省く簡潔さで行いも簡潔であれば、簡潔にすぎませんか。」と問うた。孔子先生は、「雍の言うとおりだ」と答えた。
解説
- 雍(よう):孔子の弟子で孔門十哲の一人。姓は冉(ぜん)、名は雍(よう)。仲弓は字。この章句では孔子からその人格の高さを評価されている。 参考:ウィキペディア 仲弓
- 南面(なんめん)せしむ可(べ)し:君主は南を向いて座ることから、君主たる器量があるという意味
- 子桑伯子(しそうはくし):人物については不明。
- 可(か)なり:よろしい
- 簡(かん):余計な部分をはぶいてある。繁雑でない。簡潔。大まか。
- 敬(けい):神につかえるときの心意。つつしむ。
- 大簡(たいかん):簡潔すぎる、大まかすぎる
- 雍(よう)の言(げん)然(しか)り:雍の言うとおりだ


