論語【学而第一】 12. 和をもって貴しとなす

有子(ゆうし)曰(いわ)く、礼(れい)の用(よう)は和(わ)を貴(とうと)しと為(な)す。先王(せんおう)の道(みち)も、斯(これ)を美(び)と為(な)す。小大(しょうだい)之(これ)に由(よ)るも、行(おこ)なわれざる所(ところ)有(あ)り。和(わ)を知(し)りて和(わ)すれども、礼(れい)を以(もっ)て之(これ)を節(せっ)せざれば、亦(また)行(おこな)う可(べ)からざればなり。

有子(ゆうし)は、このように言った。秩序形成をする上で、もっとも大切なのは和することだ。昔の優れた王たちも、治世において礼と和を重んじていた。小さい事も大きい事も、和むばかりでは上手く行かないことがある。和を知って和むことに加えて、礼による秩序形成と節度がなければ、行いようがない。

  • 有子(ゆうし):孔子の弟子の有若(ゆうじゃく)。学而篇では有子(ゆうし)と呼ばれ、曾子(そうし)・冉子(ぜんし)・閔子(びんし)とならんで「子」がつけられていることから、重視されていたことがわかる。
    孔子よりも30~40歳ほど若く、風貌が孔子に似ていたとされる。政治学を学び、政で活躍した。この章句の「和をもって貴しとなす」は広く知られる。
    参考:ウィキペディア「有若」
  • 先王(せんおう):中国古代王朝の優れた君主のこと。 「先王の道」は、そうした優れた君主の治世のやり方。
    「書経」にある古代の聖王である堯と舜、それに続く夏王朝、殷王朝、周王朝の治世を、儒教では理想としている。
    儒教の聖人は、堯、舜、禹、湯王、文王、武王、周公、孔子の8人で、禹は夏王朝、湯王は殷王朝、文王・武王は周王朝を建国した。武王は文王の子、周公は武王の子。孔子は周王朝の優れた治世を復活させることを自分の天命として活動している。
    参考:中国の歴史
  • 和するとは、関係を乱さないこと。相手をおもんぱかる。なごむ、混ざり合うのが和。
  • 礼による秩序形成があると和が光ってくる。
    この章句は、聖徳太子の十七条の憲法の「和をもって貴しとなす」の出典では。