論語【為政第二】29. 言葉より行動

弟子の子貢(しこう)が、孔子先生に立派な人とはどんな人なのか質問しています。

子貢は孔子先生とは親子ほども年の違う若い弟子ですが、複数の国の外交官を歴任するほど弁が立ち、三千人も弟子のいる孔子一門でもっとも裕福だったと言われるほど商才もあったといわれています。貢(しこう)はどうやってそんなに成功したのか、知りたいですね。

孔子先生は子貢に、立派な人は「不言実行」だと答えます。言葉より行動が大事だよと。

孔子先生は、相手を見てアドバイスをしていたはずですから、辣腕外交官で経営者でもあった子貢(しこう)へのアドバイスが、「不言実行」であったと考えると、「言葉より行動」には子貢(しこう)の成功のヒントがありそうです。

書き下し文

子貢(しこう)君子(くんし)を問(と)う。子(し)曰(いわ)く、先(ま)ず其(そ)の言(げん)を行(おこな)い、而(しか)る後(のち)に之(これ)に従(したが)う。

現代語訳

弟子の子貢(しこう)がりっぱな人とはどのような人ですかと孔子先生に質問をした。孔子先生は「言葉はまず実行をして、実行をした後に行動に言葉が従うのが立派な人だ」とおっしゃった。

字句の解説

  • 子貢(しこう):孔子の弟子で、孔子より三十一歳年少。孔門十哲のひとり。弁舌に優れ衛、魯でその外交手腕を発揮した。商才に恵まれ、孔子門下で最も富んだ。
  • 君子:りっぱな人
  • 先(ま)ず其(そ)の言(げん)を行(おこな)い:言葉より先に実行する
  • 之(これ)に従(したが)う:言葉は行動に従って後から言う
  • 孔子先生は、「不言実行」の人をりっぱな人と考えている。