
孔子先生は、人はある程度の年齢に到達するころには、人として正しい道に自然と心が向かい、またもともとは天から授かり、それまでの人生で修養してきた自らの徳をよりどころとし、判断に迷うことがあれば他者にとってどうか、といった観点を常に最重要視し、さらに、学び・スポーツ・芸術に自由に心をあそばせる精神的余裕も持ちたいものだ、と考えていらっしゃいます。
Confucius’ Vision of the Ideal Human State
Confucius taught that, in the ideal course of life, when a person has reached a certain age, the heart should turn naturally toward the proper Way of being human. One ought to rely on the virtues originally bestowed by Heaven and cultivated through a lifetime of self-cultivation, and when in doubt, always give foremost weight to how one’s actions affect others. At the same time, he held that a person should preserve the mental freedom to delight in learning, in sports, and in the arts.
漢文と書き下し文
子曰、志於道、據於德、依於仁、游於藝。
子(し)曰(いわ)く、道(みち)に志(こころざ)し、徳(とく)に拠(よ)り、仁(じん)に依(よ)り、芸(げい)に游(あそ)ぶ。
現代語訳
孔子先生はこのようにおっしゃった。「(人も、ある一定の成熟度を達成したら)人として正しい道に自然と心が向かい、(天から授かり、また自分でもそれまでの人生で修養してきた自らの)徳をよりどころとし、(徳目の中でも、他者とのつながりは特に重要だから)仁を自分の言動の根本に据えて常に頼り、教養やスポーツ、芸術を自由に心から楽しむようでありたいものだ。」
解説
- 道(みち):道理、道義
- 志(こころざ)す:心が向かう、目指す
- 徳(とく):精神の修養によってその身に得たすぐれた品性。人徳。 五常(仁・義・礼・智・信)の総体。
- 拠(よ)る:よりどころとする
- 仁(じん):他者への思いやり。情け。
- 依(よ)る:頼りにする
- 芸(げい): 六芸のこと。六芸とは、中国、周代に、士以上の者の必修科目とされた六種の技芸。礼(礼儀)・楽(音楽)・射(弓道)・書(書道)・御(馬術)・数(数学)。
- 游(あそ)ぶ:あそぶ。 もと神の出遊をいう字であったが、神を奉じてゆくことをいい、神のように自由に行動することをもいう。


