論語【八佾第三】59. 上司は礼儀正しく、部下はまごころで

孔子先生の上司である魯国の君主、定公(ていこう)が孔子先生に質問しました。
「上司と部下の関係というのは、どのようにあるべきだろうか。」
孔子先生は答えて、
「上司が部下を使うときは礼儀正しさが重要です。部下が上司につかえるにはまごころが大切です。」
とおっしゃいました。

「君(きみ)は臣(しん)を使(つか)うに礼(れい)を以(もっ)てし、臣(しん)は君(きみ)に事(つか)うるに忠(ちゅう)を以(もっ)てす」
上司が部下を使うときは礼をもって。部下が上司に仕えるときは忠。
「相手の態度は自分の態度」ですから、上司は組織に自ら礼を示します。
部下の示す忠とは、中の心、純粋無垢な真心、計算ずくではない人間としての心で、忠の最大のポイントは嘘をつかないことです。

漢文と書き下し文

定公問、君使臣、臣事君、如之何。孔子對曰、君使臣以禮、臣事君以忠。

定公(ていこう)問(と)う、君(きみ)、臣(しん)を使(つか)い、臣(しん)、君(きみ)に事(つか)うるには、之(これ)を如何(いかん)せんと。孔子(こうし)対(こた)えて曰(いわ)く、君(きみ)は臣(しん)を使(つか)うに礼(れい)を以(もっ)てし、臣(しん)は君(きみ)に事(つか)うるに忠(ちゅう)を以(もっ)てすと。

現代語訳

魯の君主である定公が質問した。「君主が臣下を使い、臣下が君主に仕えるにはどうすると良いか。」孔子先生は答えて、このようにおっしゃった。「君主が臣下を使うときには礼儀正しさ、臣下が君主に仕えるときは真心から仕えることが重要です。

解説

  • 定公(ていこう):魯の君主。
  • 君(きみ):君主
  • 臣(しん):臣下
  • 忠(ちゅう):中の心、真心、純粋無垢の心を尽くすこと。嘘をつかないこと。計算ずくでないこと。