
復は、かえること。陽がまた下の初九にかえってくること。宇宙の運行、人生の変化は時々刻々に変化する。善いものも、悪いものの、それが盛んな頂点に達した瞬間に衰え始める。天下の乱れが頂点に達すると、その瞬間に、天下がまた治まるべき微妙な萌しがあらわれる。天下皆大いに乱れて、どうすることもできないような時代になると、それを救済する原動力となる聖人賢人英雄豪傑は、下層の階級から出てくる。根本にたちかえって、根底から築き上げて行かねばならないため。震の卦は動く。坤の卦は順。動いて進むに順をもってする。天地の情勢に順い、人民の情況に順って、無理のないようにして動いて行く。
Return — The Subtle Signs of Change
“Return” means turning back. It signifies the return of the yang force to the first line at the base. The movements of the cosmos and the transformations of life change from moment to moment. Both good and evil begin to decline the instant they reach their peak. When disorder in the world reaches its height, at that very moment the subtle signs of restoration begin to appear. When the world falls into great chaos, when it seems nothing can be done, the sages, worthies, heroes, and great leaders who become the driving force of salvation arise from the lower ranks of society. This is because one must return to the fundamentals and rebuild from the foundation upward.
The trigram Zhen signifies movement. The trigram Kun signifies receptivity. Progress is achieved through movement guided by receptivity. One advances by following the conditions of Heaven and Earth and the circumstances of the people, moving forward without forcing things unnaturally.
彖(たん)の辞
復、亨。出入无疾、朋来无咎。反復其道、七日来復。利有攸往。
復(ふく)は(とお)亨る。出入(しゅつにゅう)、疾(やまい)无(な)く、朋(とも)来(きた)りて咎(とが)无(な)し。其道(そのみち)に反復(はんぷく)し、七日(なのか)にして来(きた)り復(かえ)る。往(ゆ)く攸(ところ)有(あ)るに利(よろ)し。
読書メモ
- 復は、かえること。陽がかえってくること。前の山地剝の卦で、陽が勢力を失い、次に坤の卦となって陰ばかりの卦となるが、その瞬間に陽は下の初九のところにかえってくる。
- 山地剝の上九の陽爻が地雷復の卦の初九となった。
- 宇宙の運行、人生の変化は時々刻々に変化する。善いものも、悪いものの、それが盛んな頂点に達した瞬間に衰え始める。
- 天下の乱れが頂点に達すると、その瞬間に、天下がまた治まるべき微妙な萌しがあらわれる。その後、すぐに天下が治まるのではなく、なおまだしばらくの間乱れているが、陽気は確実に盛んになり、遠からずしてまた天下が治まる。その微妙な萌しのあらわれている情態が地雷復。この卦は微妙な卦。
- ある物、ある事が頂上の極点に達しているときに、一変すべき微妙な萌しがあらわれる。それがあらわれているのが地雷復。
- 天下皆大いに乱れて、どうすることもできないような時代になると、それを救済する原動力となる聖人賢人英雄豪傑は、下層の階級から出てくる。根本にたちかえって、根底から築き上げて行かねばならないため。
- 震の卦は動く。坤の卦は順。動いて進むに順をもってする。天地の情勢に順い、人民の情況に順って、無理のないようにして動いて行く。
彖の辞の解説
- 「復(ふく)は(とお)亨る」は、下にかえってきた一陽が今は微妙にして盛んではないけれども、時々刻々に成長して後には大いに盛んになる。
- 「出入(しゅつにゅう)、疾(やまい)无(な)く」は、陽が潜んで陰の中にかくれているときも、それがあらわれ出でて震の卦になった時も、決して傷つけそこなわれることはない。
- 「朋(とも)来(きた)りて咎(とが)无(な)し」は、陽がだんだん来たり集まり、盛んになってゆく。
- 「其道(そのみち)に反復(はんぷく)し、七日(なのか)にして来(きた)り復(かえ)る」は、陰陽消長の自然の理法に従って変化して地雷復となった。
- 「往(ゆ)く攸(ところ)有(あ)るに利(よろ)し」は、進んでいって事を行うのがよろしい。
- この彖の言葉は、天の道の運行する変化を説いて、人事もまたそうあるべきことを教えた。「聖人、易を作るは、天地の自然を以て、人事の当然を明らかにするなり」
- 易経の味方からいえば、間断なく運行し、活動し、万物を生成化育することが、天地の心。

